貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える
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2021/9/5
2021/12/20
アビジット・V・バナジー、エステル・デュフロ『貧乏人の経済学 もういちど貧困問題を根っこから考える』(山形浩生訳、みすず書房)読了。両極端な理論でこれまで語られてきた貧困層の暮らしと困難に寄り添い、経験則やイデオロギーに過ぎなかった政策にランダム化対照試験というメスを入れていく。人々の素朴な経済活動がいかに近視眼的な要素で制約されているか考えさせられる書。
貧困研究は、ここまで進んだ!
食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資、貯蓄……
世界の貧困問題をサイエンスする新・経済学。
W・イースタリーやJ・サックスらの図式的な見方(市場 vs 政府)を越えて、
ランダム化対照試行(RCT)といわれる、精緻なフィールド実験が、
丹念に解決策を明らかにしていきます。
「貧困の本質への驚くほど深い洞察に満ちた本」――A・セン
「世界の貧困に関心のある人の必読書。こんなに多くを教えてくれる本を読んだのは
久しぶりだ。経済学からの最高の贈り物だろう」――S・D・レヴィット(『ヤバい経済学』)
2011年Financial Times / Goldmann Sachsベストビジネス書賞受賞作。
『ガーディアン』2011年5月18日
「バナジーとデュフロの『貧乏人の経済学』は開発援助の世界に波乱を起こしつつある。この本
が他の本と違うのは、ランダム化対照試行に着目している点だけでなく、いままで開発援助の
世界で無視されることが多かった問題や、あてずっぽうで推測されていた問題に果敢に取り組ん
でいる点だ。それらは、貧乏な人の決定に潜んでいる論理性であり、貧乏な人たちが手持ちで
最もよい決定をしているのかどうか? そして政策担当者はそれにどのように答えるべきか? と
いった問題だ」
『エコノミスト』2011年4月22日
「この熟読必死の新刊で著者たちは、大胆な研究と個人的な体験談を織りまぜながら、1日0.99
ドル未満で暮らしている8億6500万人の人々の生活を描き出している」
『フィナンシャル・タイムズ』2011年4月30日
「数々の実験の創意工夫はもちろんだが、この本に溢れているのは、最貧困にある人たちの生
活を描き出す、優しい眼差しだ。本書は、貧困にある人たちがこのうえなく辛い環境のなかで洗
練された計算をしていることを示してくれる……本書はこれから進むべき道筋を提示している。
そしてこれらは間違いなく試してみるだけの価値がある実験だ」
『ニューヨーク・タイムズ』2011年5月19日
「ランダム化試行は貧困削減の闘いのための要注目手法だ。このすばらしい本で開発援助につ
いての重大な疑問への取り組みかたが変わる。それは〈どんな援助がもっとも効くのか〉という
疑問だ」